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福島県(桃県)にいると言われる妖怪一覧

  • アズキトギ

音の怪。小豆とぎ。阿武隈川の水源地方の山村にいる。

 

  • イナダカセ

海の怪。県沿岸全体。イナダは船で使う柄杓で、これを貸せといって出る。他地方ではフナユウレイという。

 

  • オオニュウドウ

道の怪。大入道。福島。力持ち自慢の男が雨の降る夜間、允じよう殿どの館で、顔の長さ三尺、竹杖をつき髪振り乱し、目は皿のような怪女に呼び止められる。逃げると怪女は「帰りは無事と思うな」とさけんだ。男は人に弱虫と笑われると強がりをいって同じ道を帰ると、あの女が「さっきの奴だ、とり逃がしたまうな」と声をかけた。とたんに真っ黒な大入道が大手を広げて迫ってきた。なんとか逃れたが、以降、男は日暮れには外に出られなくなるほどになったという。

 

  • オンボノヤス

山の怪。田村郡。これに会うと、霧を吹かれるから用心しなければならない。

 

  • カッパ

水の怪。河童。福島市─阿武隈川で駒こまを引き、逆に駒に引き上げられた。悪戯を許された礼に一振りの太刀を渡した。いわき市平─駒引きに失敗、骨接ぎの妙薬を教えた。別の話では相撲を取ろうと子供の姿でやってきた。村人は待たせておいて仏様の御飯を食べていくと、子供は逃げた。安達郡安達町─土地の子供たちは遊び友達になっていた。あるとき昼寝をしていて頭頂の水を取られ、もう遊ぶ力はなくなったが、村を守るから川灯籠を流してくれといった。信夫郡飯坂町──師走朔日をカッパレ朔日またはカッパリヤ朔日という。この日、仏様にあげた牡ぼ丹た餅もちを食えば河童に引かれぬという。河沼郡縄沢─不動川で駒引きをしようとして捕らえられた。他日、悪戯はしないと約束して放免され、それ以来、水の災いで死ぬ者は一人もいない。

 

  • カメヒメ

動物の怪。亀姫。寛永十七年極月、猪苗代城代のところに禿が出て、まだ城主に謁見していないという。城代が逆に叱ると「姫路のオサカベ姫と猪苗代の亀姫を知らずや。汝命数すでに尽きたり」といって消えた。翌年元日の朝、城代が藩士の拝礼を受けようと広間にいくと新しい棺桶と葬具が上段にあり、夕方、大勢で餅を搗つく音がした。二十日後、城代は死んだ。その夏、武士が七尺ばかりの大入道を切ると古い大ムジナで、これ以来、怪事は消えたという。

 

  • カンスコロバシ

山の怪。鑵子転ばし。山の中にいて通行人にカンスを転ばす。カンスは湯を沸かすのに用いた、青銅または真鍮製の器のこと。

 

  • クビキレウマ

動物の怪。首切れ馬。伊豆八丈島、福井県、四国、壱岐など、広く分布する。神様が乗って、または馬だけで、あるいは馬の首だけで飛び回るという。

 

  • シュノバン

道の怪。朱の盤。会津の諏訪の宮にいたという怪。ある夕暮れ、一人の若侍が宮の前を通った。朱の盤は若侍に化けて出て自分のことを尋ねられると「このような者か」というなり姿をかえた。目は皿のようで、額に角が一本、朱のごとき顔で頭には針のような髪が生え、口は耳元まで裂け歯がみする音は雷のようだったという。

 

  • セボウズ

水の怪。瀬坊主。福島市付近の漁夫は、時々、男女の姿が瀬に立つのを見るという。これを瀬坊主、瀬女と呼ぶ。

 

  • ソラキガエシ

空木返し。田村郡・南会津郡。天狗の空木返しといって、斧の音、木の倒れる音はするが、ドーンと地に倒れる音が聞こえないことをいう。

 

  • テング

山の怪。天狗。磐梯山。会津のもの十人ほどが湯治にいった。山にのぼり、たわむれに大石を谷底に落としていると、湯守が「ここで大声をあげ山をふみあらすと霧が深くなり天狗が現れて人を捕らえます」と警告した。小屋にもどったがまもなくそのとおりとなり、大風大雨、雷となり小屋もふきとばしそうな勢いである。十人がふるえていると、顔五尺の大山伏が顔を見せた。しばらくすると、顔が一間もあり鉄か漿ねをつけた女が顔をのぞかせて見守っていたが、忽然として消えたという。

 

  • ニュウドウボウズ

道の怪。入道坊主。イタチが人の肩の上に立つので、見上げれば見上げるほど高くなり、あまり上を見ると喉首に?みつかれる。出会ったなら静かに手をあげてイタチの脚をつかむやいなや地面に叩きつければ退治できるという。

 

  • ネコノカイ

動物の怪。猫の怪。信夫郡。新妻に死なれた男につけこみ、毎夜、その妻に化けて通ってきた。閻魔の許しを得てきたが百日はだれにもいうなと男に口止めしていたが、男の友人に正体を見破られたという。

 

  • ヒカリモノ

動物の怪。光り物。年を経た山鳥は尾の節が多くなる。節が十二になると夜暗にヒカリモノとなるという。

 

  • フチカリ

動物の怪。南会津山中の忌詞に、貂をフチカリ、またはヘコといい、むかし雪崩で死んだ人の亡霊が姿を変えてくるもののように恐れている。貂の害がひどく、ことに食料を攻撃するので、扶持借りの意味でいうか。

 

  • ミコシニュウドウ

道の怪。見越入道。次第に大きくなり、やがて見上げるようになる。これにつられて顔を上げた瞬間、喉笛に噛みつかれて殺される。見越し入道は、手に手桶とか提灯を持っている。これが正体で、イタチなのだという。

 

  • ミョウトムジナ

動物の怪。大沼郡中川村(金山村)。貉は夫婦貉といって狐狸と違い、一つが他におぶさって二匹して化けるという。

 

  • ムジナノカイ

動物の怪。山小屋に片目の男が泊めてくれといってきた。その後、しかけた罠に片目の貉がかかっていたという。また、山で娘に、その母に化けて「こっちへ来い」と呼びかけたが、娘は怪しんだので難を逃れたという。

 

  • ムラサキギモ

水の怪。石城郡草野村。正月一日、五節句に生まれた子供は紫肝といって鮫さめにとられるといい、船には乗せない。

 

  • ユキオナゴ

雪の怪。雪女ご。会津ではその頼みを聞きいれると雪にかぶされてしまうといい、磐城では雪女郎ともいって、背を向けると雪の谷間に突き落とされるという。